ジムはちょっと苦手。でも、このままでは体が心配で

朝起きると肩がこわばっている。スマホを見る時間が長くなると首が痛む。デスクワークの後は腰が重たくて、立ち上がるのもつらい…。体を動かした方がいいのはわかっているけれど、「ジムに行く」というハードルが高く感じてしまう。

ジムに対する心理的なハードル

「ジムに行くのは気が引ける」という思いは珍しいものではありません。初めて足を踏み入れる場所への不安、トレーニングマシンの使い方がわからない戸惑い、周りの人の視線が気になる緊張感。これらは多くの人が感じる自然な感情です。

「運動しなきゃ」とわかっていても、一歩を踏み出すのが難しいときには、別の選択肢を考えてみるのも一つの方法です。

体の状態に気づくことから始まる運動

体を動かす目的は「鍛える」ことだけではありません。まずは体の状態を知り、どこに負担がかかっているのかを理解することから始められます。

ボディワークと呼ばれるアプローチは、体と心のつながりを意識しながら、肩の張りや腰の重さなど現在の状態を理解し、適切な動きで整えていくもの。筋肉を大きくすることよりも、日常生活の動作をラクにすることが目的です。

緩やかな動きが効果的なケース

実は体を整えるのに激しい運動が常に必要というわけではありません。特に、長時間同じ姿勢でいることによる体の凝りや緊張は、ゆっくりと丁寧に体を動かすことで解消できることが多いものです。

力任せの動きではなく、呼吸と動きを連動させ、体の感覚に注意を向けながら行う運動には、姿勢改善や体の柔軟性維持、さらには心の安定といった効果があります。

〜さまざまなアプローチ〜 体を整えるための方法はいくつかあります。それぞれの特徴を簡単に紹介します。

ジャイロキネシス®

脊柱の動きを中心に、全身を連動させながら円を描くような流れるような動きで行うエクササイズ。椅子とマットがあれば始められるため、自宅でも続けやすいのが特徴です。もともとはダンサーのためのトレーニング方法として考案されました。

ジャイロトニック®

ジャイロキネシスの動きの原理に基づき、特別な器具を使って行うエクササイズ。専用のマシンが動きを誘導してくれるため、より正確に、そして安全に関節の可動域を広げながら全身の筋肉をバランスよく使うことができます。

ピラティス

体の中心部(コア)を意識しながら、正しい姿勢と動きのパターンを学ぶ方法。「インナーマッスル」と呼ばれる深層の筋肉を使うことで、見た目だけでなく体の機能性を高めます。

バレエストレッチ

バレエの動きを取り入れたストレッチ。柔軟性だけでなく、姿勢や体のラインを意識した動きを学びます。バレエの基本的な動きは日常生活の体の使い方にも活かせます。

マスターストレッチ

呼吸と動きを連動させながら、全身の筋肉をバランスよく伸ばしていく方法。特に固まりやすい部分にアプローチし、少しずつ柔軟性を高めていくことで、日常動作の質を向上させます。

これらに共通しているのは、体の状態を感じ取ることを大切にしている点です。筋肉を大きくすることよりも、体の内側から感じる変化を重視します。

続けていく中での変化

このような動きを続けてきた人たちからは、こんな変化が報告されています:

  • 肩こりや首の張りが軽くなった
  • 姿勢の悪さに気づき、日常でも意識するようになった
  • 呼吸が深くなり、気持ちの落ち着きを感じられるようになった
  • 階段の上り下りや長時間の歩行が楽になった
  • 体を動かす時間が心地よく感じられるようになった

特に注目したいのは最後の点。「運動は義務」という感覚から「体を動かすのは気持ちいい」という感覚への変化です。この変化が長く続けられる要素になります。

自分に合った環境で始める

初めての場所、初めての運動では誰でも緊張するものです。大人数のクラスでは質問しづらかったり、自分のペースで進められなかったりすることも不安の一因になります。

新しく始める際は、どんな環境が自分に合っているかを考えるのも大切な要素。少人数で行うレッスンなら、自分の状態に合わせた動きができますし、質問もしやすくなります。

「運動は苦手」と感じる人にとって、自分の体の状態を知り、無理なく動かせる方法を見つけることが継続のカギ。姿勢の改善や柔軟性の向上は、一日では実現しませんが、少しずつ積み重ねることで変化していきます。

今日からできること

最後に、今すぐにでも試せる簡単な動きを紹介します。

  1. 椅子に座り、両足を床につけ、背筋を自然に伸ばす
  2. ゆっくりと鼻から息を吸い、口から吐きながら3回深呼吸する
  3. 肩をゆっくりと上げて、そのままの状態で肩の緊張感を感じる(3秒間)
  4. 息を吐きながら、肩の力を抜き、肩が下がる感覚を意識する
  5. これを3回繰り返す

たったこれだけでも、普段気づかない肩の緊張がどれだけあるかがわかります。この感覚に気づくことから、少しずつ体の状態に注意を向ける習慣が始まります。

体の不調を感じ始めたことは、実は変化のきっかけになるチャンス。ジムが苦手でも、自分のペースで体をケアする方法は他にもあります。自分に合った心地よい動きを探してみてください。